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ロジバン ( lojban ) は、ログランを元に、さらなる機能性を追求して LLG が開発を引率してきた人工言語である。1987年に公表され、1997年に文法が暫定的に完成、2002年から実用段階に入った。主にインターネットを中心とする国際的な研鑽が進んでいる。 == 特徴 == ログランから継承したものも含め、ロジバンは以下の性格を有する。 * 言語表現の論理的な構造を正確に(そしてしばしば簡潔に)記述するために開発されてきた述語論理を文法の基盤としている。そのため、自然言語では表現が困難であるような複雑な構造をごく明晰に記述できる一方で、文芸的理由から敢えて多義的な表現を織ることもでき、自然言語と同様、話者の自在に任せた表現が可能である。『In the Land of Invented Languages』の著者でありエスペラントやクリンゴン語に精通している Arika Okrent はニューヨーク・タイムズとのインタビューにおいて、「最も完成された文法を持つ人工言語はおそらくロジバンである」〔New York Times, the. Questions Answered: Invented Languages 〕 と評価している。 * ロジバンの表記法や統語法はいかなる不規則性もきたさないように設計されているため、コンピュータによる解析や人による読解が容易である。実際、1997年時点でロジバンの公式の文法は Yacc 文法で書かれており、2015年現在では PEG で書かれた文法もある。そのため、ロジバンの構文解析器は非常に実装しやすく(その容易性の観点からみれば、ロジバンは自然言語よりもプログラミング言語に近い)、いくつかの構文解析器はロジバンの学習過程において広く使われている。このことから、日常会話としての言語だけでなく、プログラミング言語としての可能性も秘めている。 * 命題の論理的形成とは別に、感情や態度を簡単に表すための語群が備わっており、これらを組み合わせて複雑な心情を表すこともできる。円城塔は「論理性の高さと感情表現の豊かさは相反しないことに注意。ロジバンは感情表現用の語彙を備えている。」〔『烏有此譚』(2009年12月、講談社、 ISBN 978-4-06-215933-3)、脚注三の注〈1-2-1-1〉〕と述べている。 * 約1200あまり(2014年時点)という語根の数から、約144万語以上の合成語の創出が可能であるとされている。形態素(合成語の各成分)は非曖昧に特定の語根に対応するので、同音異義語ができないようになっている。さらに、ロジバンの形態素は、合成語の形態素解析の結果が必ず1通りになるよう設計されているため、合成語の意味が把握しやすくなっている。また、語根と合成語、すなわちロジバン本来の単語は、外来の固有名称と明確に区別できるので、人名と語彙が被るといったこともない。 * 当初の開発者および現在の話者達に一貫して、自己の文化的な背景に流れず努めて中立を保つことが志されている。その現れの一つとして、従来の人工言語にはみられないほどに広範な語派を源泉に語根を創出したことが挙げられる(具体的には、作成当時の話者数の最も多かった、中国語、スペイン語、英語、ヒンディー語、ロシア語、アラビア語から採取した単語を特定のアルゴリズムによって融合して創られた)。もう一つの事例として、文化関連の語根を廃止し、借用語を代わりに使おうという動き〔http://mw.lojban.org/papri/cultural_gismu〕があり、実際、ISO 3166 や ISO 639 のコードを用いた文化関連の借用語がつくられ〔http://mw.lojban.org/papri/ISO_generated_cultural_fu%27ivla〕、多くのロジバン話者から支持されている。 * 表記文字は公式には指定されておらず、音字一致の原理を維持できるかぎりでどの表記体系も認められる。2015年現在では、活動の中心の場がインターネットということもあり、各国のどのコンピュータ・キーボードからでも即座に入力できるアスキー式が主流となっている。しかしながら、ASCII以外の表記体系が排除されているわけではなく、音声的に合理的であったり、視覚的に美しかったりする様々なオリジナルの表記体系も生まれている。 * 単数・複数、男性・女性、能動・受動といった文化特有的な識別に言葉の形が影響されない設計になっている。すなわち、それらの要素についての表現を強制しないようになっており、数や能動関係の明示・非明示はもっぱら話者の意志に委ねられる。特に、男性・女性について自由であることは、男性形を基本として女性形が派生されるという、自然言語や他の人工言語に広くみられる男尊女卑の意識を回避できるということでも有意義である。先立つログランの目的がそもそもサピア・ウォーフの仮説の如何を研究するための言語的基礎を用意することであり、ロジバンはそれに対する肯定的な姿勢を継承している。既存の伝統・慣習や、自然言語の枠組みから離れて物事を理解し語ることの意義を、ロジバンを通して実感できうる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ロジバン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Lojban 」があります。 スポンサード リンク
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